ドクター・フー「にぎやかな死体」同時再生実況ツイートまとめ

2020年12月12日(土)7pm(日本時間翌4am)より、マークが脚本を担当したドクター・フーのエピソード「にぎやかな死体」”The Unquiet Dead”の同時再生企画が開催されました。
マーク自身もツイッター実況で参加。

この記事では舞台裏を語るマークのツイートを訳してまとめています。
ツイートの下が日本語訳、続いて青枠の中が解説です。
訳・解説で不十分な箇所は後ほど追記・修正します。

「まずはじめに、ドクター・フーは死んだ。それをはっきりと理解しなければならない。でなければこの物語には何も素晴らしいものは出てこない」
オープニングがゾッとする出来上がりで興奮した。
番組の恐怖を守るためにPMに召喚されたのも興奮した。お疲れ!
真夜中の電話でニュースを伝えてきたのは(脚本家の)クレイトン・ヒックマンだった。
「今座ってる?」
「いや、ベッドの中だよ!」
「ドクター・フーが戻ってくるぞ!」
僕はラッセル(・T・デイヴィス)を少し知っていたから、番組に脚本で招かれることを祈っていた…
アラン・デイヴィッドをスニード役に提案したのは僕だった。
“The Squirrels”から大好きだったんだ。
エピソードのトーンに合った素晴らしく滑稽かつ重苦しい役者で、優しい人だ。
タイムトラベルの概念そのものがどれほど僕の想像力を常に掻き立てるのかを
長いこと話した覚えがある。
「10万回の日没以前」というセリフはその感覚を伝える意味があった。
もし戻れるとしたら? ローズは、ドクターと一緒なら、出来る!
この日のために誇らしく壁に飾ってる!
テレビセンターの向かいにあるセンターハウスに初めてのドクター・フーのミーティングに行ったことは、僕のキャリアでもっとも興奮した一日に数えられる。
興奮で沸き立つラッセルとジュリー(・ガードナー)。
新しいドクター・フー! この上ない喜びは、その夜明けに生きてたってことだ
雪の中の足跡! クリス(トファー・エクルストン)とビリー(・パイパー)は大したものだよね?
ナポリ!
当時(小説の)‘The Vesuvius Club’を書いていたので頭に浮かんでいた。
ターディスが進路を外れるのも好きなんだ。僕の話にはほとんど出てくる。
ドクターが制御できないガタガタの宇宙船という元の考えに戻ってみた。
「なんて光景だ!」
もちろん、(DWのオーディオシリーズを製作している)ビッグ・フィニッシュの引用だ。
この前は身近な誰もがドクター・フーを書くことになるなんて思いもよらなかった。
囚われたコンパニオン? すごく昔みたい。
霊柩車の側面にスニードの勤務先の住所を入れるかで議論したのを覚えてる。
でもドクターとディケンズはどこに追いかけるのか知っておかなきゃならなかった。
スウォンジーの撮影のスケールはひたすらスリリングだった。
もっと金をかけろと(二度とない)知らせを受け取った!
現場の通りで育ったラッセルが
ターディスが現れるのをいつも想像してた、って言ってたのを覚えている。
そして、現れたんだ!
馬車での「ファン」の画面は素敵だし、素晴らしく演じられている。
特にサイモンの少し照れくさそうな「いや、彼はここにいていい」。
元々は(ディケンズの)『信号手』のように、
「こんにちは!下だよ!」と誰かが言って馬車は衝突した。
「一体全体何が起こってるんだ!?」
ラッセルの素晴らしいアイディアの一つで、今でも笑ってしまう。

‘What the hell is going on?’のような言い回しにシェイクスピアを加えている。

ラッセルの元々の筋書きは
「名前はディケンズ。チャールズ・ディケンズ」とタイトルがつけられていた。
ガスから霊を引き抜くための機械を発明した霊媒師の主張を暴くため
ディケンズはカーディフに招かれる。
これは必然的に、ヴィクトリア朝の死への僕の病的な興味へと導いた。
ナイジェル・ニールはおそらく僕にもっとも大きな影響を与えた人で、
このエピソードは”The Stone Tape”と”Quatermas and the Pit”の影響に満ちている。
特にトラブルに巻き込まれている家のアイディア。
古典的なスタイルでいえば、モンスターの名前が「タイプライターに転がり落ちてきた」
素晴らしい監督ユーロス・リンがイヴ・マイルズを提案してくれた。
「注目すべき人」だと彼は言った。
イヴのスケジュールが少し難しかったのを覚えているが、彼女は興味を持ってくれた。
これが裂けめとカーディフの大事な中心の始まりだと思うと可笑しいね。
イヴにとってうまくいったよ!

ラッセル・T・デイヴィスはこのエピソードのイヴ・マイルズを見てスピンオフ作品「TORCHWOOD」に彼女を起用している。

時々ピースさんが劇場に入るところを考えて楽しんだりする。
誰かが彼女のチケットを取ったのかな?
幸いなことにその日は現場にいることが出来た。
サイモンは素晴らしい演技で、クリスとビリーも絶好調。
ラップトップでスリジーンの初期CGを見たのも覚えている。
(返信より)「『ピース』というヴィクトリア朝風の名前が好きでした。
殺人鬼で強盗のチャーリー・ピースを思い起こしたけど、
もしかして、あなたは代表的なシャーロキアンだから、
彼を念頭において名前を選んだのでは?」

(マーク)正解!

チャールズ・ピースは19世紀英国の強盗殺人犯。
シャーロック・ホームズは「高名な依頼人」の中で「チャーリー・ピースはバイオリンの名手だった」と発言しています。

グィネスが「私たちの時代」の人ではないからといって、
俗っぽいローズに見下されていると感じないことが大事だった。
過去は一つではない。
陰影があり、奇妙で、驚きがあり、反響に満ちている。
ローズは2002年にブリクストン・アカデミーでザ・ダークネスを見ている。

このシリーズに”Bad Wolf”とともに登場する”Darkness”という言葉と引っ掛けたジョーク?

グィネスは”Upstairs, Downstairs”の中の”Desirous of Change”という見事なエピソード、
その中のジャネット・リーズ・プライスのキャラクターにちなんでつけられた。
この素晴らしい番組を見たことがなければ、Talking Pics TVで再放送がちょうど始まってるよ。

“Upstairs, Downstairs”は「ダウントン・アビー」のような英国の上流階級の家庭と召使の生活を描いたドラマ・シリーズ。

初稿。「クリッピングウェルの恐怖」!
グィネスは霊媒師のプラムシュート夫人に仕えていて、
ノア・スニードと言う謎めいた下宿人がいる!
Gelthの運命は、”The Faceless Ones“のカメレオンにヒントを得ている。
彼らは肉体の独自性を失った。
タイム・ウォーで何が起こっていたのかたくさん話し合ったのを覚えている。
「エクソシスト」を見すぎたせいか、憑依についてはずっと気になっていた。
現実的ではないにしても、Gelthが死体を乗っ取って、反発しないドクターはすごく不気味だ
あらましから、ドクターがGelthが成功した場合の世界をローズに見せる
「火星のピラミッド」のような類のシーンが予定されていた。
脚本に書かれてはいたがセリフに置き換えられて削られた。
安くなったね!

「火星のピラミッド」は1975年に放送された4代目ドクターのエピソード。

渦巻くGelthとその姿はすごく「レイダース 失われたアーク」だけど、
そうでなければならないとすっかり思い込んでいたんだ
霊安室のゾンビはまさしくおそろしー!
これは少し残念だった。
ドアノッカーを通り過ぎるGelthは「クリスマス・キャロル」のマーリーの顔の明確な引用で、
クローズアップになるはずだった。
でも時にこれらのことは闇に逃げ去ってしまう。
ここではディケンズがハンソロをやってる!
ゾンビは速く動くべきだと提案したのを覚えてる。
そうしなくてよかった
グィネスはもう死んでいる。
無心論者にもかかわらず、僕は彼女が死後も!
ドクターと友人を助け続けているというおっかないアイディアを気に入っていた。
ヴィクター・カルーンも。モンスターを撃退する人類の最後…
誰かが番組がこんなに成功すると知っていたら、
ディケンズがクリスマス・スペシャルになっていただろう。
でも、これが最初にカウントされるよね?

このエピソードは指定されたよりも短く、きちんと送り出されたものではなかったから、
このシーンを拡張すべきだった。
だけど彼らがチャーリーに人生の愛を返したのは好きだ。
彼の余生がそう長くないと知っていたとしても。

エドウィン・ドルードとブルー・エレメンタルズはもちろんザ・ダークネスをサポートしていた。
ブリクストン・アカデミー、2002年。

(ラッセルが新しい番組のために定番として発明した)
「有名人の歴史」の多くが作家についての話なのが好きだ。
ターディスが消失する時に雪が舞うのが大好き。
roll back and mixからずいぶん経った。

Rollback and Mixはターディスが移動する際に見られる徐々に姿が消えていく映像の撮影テクニック

このエピソードがもたらしてくれた多くの素晴らしいことの中でも、
サイモン・カーロウとの長年の友情にもっとも感謝しています。
What larks!”  ね、サイモン?

“What larks”は、ディケンズの『大いなる遺産』に登場する「楽しんで」を意味するフレーズ。

15年経ったとは思えない。
こんなに素敵なエピソードを作ってくれたチーム全体に大きな感謝を。
特に子供の頃の夢を叶えてくれたラッセル・T・デイヴィスに。
みんなに神のご加護を!

【SHERLOCK】2020年クリスマス同時上映会【26日、Netflix編】

(2020.12.26追記)
同時上映会は終了致しました。ご協力ありがとうございました!

みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
10月にはミニチャリティ大会に協力いただきありがとうございました。
そしてとうとう12月。このご時世、外へ出かけるのもままならない状況ですね。
そこで、2020年の年末は同時上映会を開催しようと思っています。

上映予定作品はクリスマスにちなんで、
12月19日は「ドクター・フー」から『戦場と二人のドクター』
12月26日は「SHERLOCK」から『ベルグレーヴィアの醜聞』を上映します。

今回同時上映するにあたって、「ドクター・フー」はAmazonプライムビデオ ウォッチパーティー、「SHERLOCK」はTeleparty(旧 Netflix Party)を利用します。

これは、それぞれの作品の配信されているサブスクリプション・サービスが異なるためと、利用可能なアプリーケーションが限られているためです。

「SHERLOCK」『ベルグレーヴィアの醜聞』のライヴ再生には少し下準備が必要なので、その方法を紹介します。

(もちろん、利用しないでの同時上映参加も歓迎。その点は記事の最後で触れます。)

Teleparty(旧 Netflix Party)とはNetflix上の動画をリアルタイムでシェアでき、チャットも出来る機能です。
Telepartyを使った参加の条件は…

Netflixに加入している
②Google Chromeをブラウザとして利用出来る
パソコンでNetflixを見られる

Google Chromeをブラウザとして使う、というところがネックですね。
でも、普段からChromeを使っている人にはそれほど難しい作業ではないです!
利用方法は以下の通り。

①ChromeからNetflix Partyをインストールする

まずTelepartyのサイトを開きます。

Telepartyのサイトはこちら
https://www.netflixparty.com/

開いた画面の右上に表示される赤いボタン「Install Teleparty」をクリック。

②Chromeの拡張機能に追加する

開いたChrome Web storeのページで、「Netflix Party is now Teleparty」の横にある青いボタン「Add to Chrome」をクリック



すると、「Netflix Party is now Teleparty」を追加しますか?というウィンドウが開くので、その中の「拡張機能を追加」をクリックします

③ツールバーにボタンを表示させる
Chromeのウィンドウ右上にあるジグソーパズルのピースのようなアイコンをクリックして…

出てきたウィンドウの「…Teleparty」横にあるピンマークをクリックし塗りつぶし状態にします。
すると、ジグソーパズルアイコンの横に赤い「TP」のアイコンが表示されます。

後は、当日マーク・ゲイティスInfoのツイッター上でアドレスが通知されるのを待つだけ!
ね! 難しくない!
ちなみに当日の流れも説明しますと、

①通知されたアドレスのリンクをクリック
当日、当アカウントのツイッターでURLをお知らせします。

②右上に表示される「NP」のボタンを押す

ウィンドウが開いた後、先ほどの赤いTPボタンを押すと右側にチャット欄のある、

こんな画面になるはず。

画面右上のアイコンをクリックして、チャット用のニックネームやアイコンを変更することが出来ます。
 
アイコン横の🔗マークからアドレスをコピーして誰かに知らせることも出来ます。

※注意点
①チャット欄で日本語でコメントすると変換の確定でEnterキーを押した際にそのままコメントが投稿されるようです。あまり変換は気にせず一文を打って、最後の投稿する時のみEnterキーを押した方が良さそう。
TelepartyはNetflix公式の拡張機能ではありません。その点了承の上での利用・参加をお願い致します。
③予定していた作品が配信終了/停止になった場合は別の作品に変更する場合があります。
④上映中にトラブルが発生し継続が不可能となった場合、(状況によって判断しますが)中止もしくは後日再上映する場合があります。

「Netflixは見られるけどChromeは使ってない」「当日パソコンで見られない」という方は、時間に合わせて再生開始し、ハッシュタグ #MGクリスマス企画 または #ベルグレービアの醜聞 でつぶやけば感想を共有出来ます。
当ツイッターアカウントでも途中から参加出来るように、ハッシュタグを使って途中経過を呟いていく予定です。

「SHERLOCKを見たことがない」という人は当アカウントをフォローしてる方の中にまずいないと思いますが、念のため、見たことのない方向けに『ベルグレーヴィアの醜聞』までのあらすじに触れておきますと、

アフガニスタン帰りの軍医であるジョンと同居することになった天才コンサルタント探偵シャーロック。「高機能社会不適合者」を自称する彼は、ジョンとともに何者かから次々と送られてくる爆破予告と共に提示されたヒントを元に事件を解決し、ついにその主犯であるジム・モリアーティと対峙する。モリアーティを目の前にし、足元の爆弾に拳銃を向けるシャーロック。ところが、一触即発の場面に思わぬ邪魔が入り…

お時間が会えば是非ご参加ください!

【ドクター・フー】2020年年末同時上映会【19日、Amazonプライム編】

(2020.12.26追記)
同時上映会は終了致しました。ご協力ありがとうございました!

みなさま、いかがお過ごしでしょうか?
10月にはミニチャリティ大会に協力いただきありがとうございました。
そしてとうとう12月。このご時世、外へ出かけるのもままならない状況ですね。
そこで、2020年の年末は2週に渡って同時上映会を開催しようと思っています。

上映予定作品はクリスマスにちなんで、
12月19日(土) 20時から「ドクター・フー」『戦場と二人のドクター』を上映します。
※次週、12月26日は「SHERLOCK」から『ベルグレーヴィアの醜聞』を上映します。

「ドクター・フー」Amazonプライムビデオ ウォッチパーティー
「SHERLOCK」はGoogle Chromeの拡張機能Telepartyを利用します。
それぞれプラットフォームが違うのでご注意ください。
これは、それぞれの作品の配信されているサブスクリプション・サービスが異なるためと、同時上映可能なアプリケーションが限られているためです。

Amazonプライムビデオウォッチパーティーを使った参加の条件は、

①Amazonプライムに加入している
②パソコンでAmazonプライムビデオを見られる

この2つだけ!
当日、ツイッターの当アカウントで同時上映用のリンクをお知らせします。
そこからページにアクセスして一緒にエピソードを楽しみましょう。

※ウォッチパーティーについての詳細は公式のページもご参照ください!
https://www.amazon.co.jp/adlp/watchparty

「Amazonプライムには入ってるけどパソコンは使えない」
「Amazonプライムに入るつもりはないけど、ソフトは持っているから再生出来る」という方は、
12月19日(土) 20時ぴったりに合わせて再生開始し、ツイッターでハッシュタグ #MGクリスマス企画 または #戦場と二人のドクター でつぶやけば感想を共有出来ます。当ツイッターアカウントでも途中から参加出来るように、ハッシュタグを使って途中経過を呟いていく予定です。

念のため、見たことのない方向けに「ドクター・フー」『戦場と2人のドクター』のそれまでのあらすじに触れておきますと、

ターディスという宇宙船に乗り、時間と空間を飛び越え、宇宙の危機を救ってきた宇宙人、通称「ドクター」
瀕死になっても肉体を「再生」して生き延びてきた彼は、一緒に旅を続けてきたクララビルという友人を失い、死期を悟って南極大陸へと降り立った。
自分の死を受け入れようとしていたドクターだったが、そこで再生する以前の、昔の自分自身と出会うことになる…

このエピソードの見所は、初代ドクター(この作品ではデヴィッド・ブラッドリーが演じています)の時代錯誤な発言に12代目ドクター(ピーター・カパルディ)が困惑する場面。

ドクター・フーが大好きな方も、見たことがないという方も、お時間あれば是非ご参加ください!

【キャラ紹介】※過去のエピソードのネタバレを含みます。

12代目ドクター(ピーター・カパルディ)
=ポリスボックスの外見をした宇宙船ターディスで時空を旅するタイムロードという種族の宇宙人。およそ1950歳。未知のものを分析したり破壊出来るサングラスの形をした「ソニック・グラス」を使う。またギタリストでもある。
度々地球で知り合った友人をコンパニオンとして旅に連れて行くが、彼らを危険に晒すこともあり、幾度となく別れを経験している。
そして、戦いの末に重傷を負ったドクターは、肉体が「再生」して変化しようとするのを拒み、ターディスで南極へとたどり着く。

1代目ドクター(デイヴィッド・ブラッドリー)
=ドクターが「再生」して姿が変わる前の最初の姿。つまり、過去のドクター。約450歳。
12代目と同じように、初めての再生を拒み、南極へたどり着く。1960年代頃の価値観を持っている。

キャプテン(マーク・ゲイティス)
=英国陸軍の大尉。第一次大戦時(1914年)のベルギー、イープルの戦場でドイツ兵と対峙している最中に時が止まり、人型のガラスのような存在に南極大陸へと飛ばされてしまう

ビル・ポッツ(パール・マッキー)
=学食の調理員として働いている大学で、教鞭を取っているドクターと知り合う。同性愛者であり、好意を持っていたヘザーという女性の謎をドクターと追ううちに旅の仲間(コンパニオン)に。
サイボーグ化されながらも、ある宇宙船の住民を救うべくドクターとともに敵のサイバーマンと戦い、瀕死のドクターをターディスに残して旅立っていった。

ナードル(マット・ルーカス)
=ドクターの妻であるリヴァー・ソングの付き人だったが、その後ドクターのコンパニオンになった宇宙人。避難する宇宙船の住民に付き添うため、サイバーマンと戦うドクターやビルと別れた。

クララ・オズワルド(ジェナ・コールマン)
=ビルやナードルと出会う前のコンパニオン。何代にも渡ってドクターを助け、固い友情で結ばれていたが、友人リグジーの身代わりとなって命を落とした。

ラスティ[善良なダーレク]
=ドクターの天敵ダーレクという種族の一員だが、人間に捕らえられ損傷しているところをドクターに助けられ、彼の心を覗いたため、仲間のダーレクを敵視している。

2020年誕生日チャリティ・オークション企画

(2020.10.17追記)
オークション企画は終了致しました。ご協力ありがとうございました!

すっかり肌寒くなってまいりましたが、みなさまお変わりなくお過ごしでしょうか?

さて、今年も10月17日=マークの誕生日が近づいてきました。
思いもよらない感染症や自然災害に襲われている2020年。
例年ですと、マークがパトロンを務めるLGBTQ+のためのヘルプライン運営団体Switchboardへの寄付を呼びかけていましたが、多くの業界が苦境に立たされている今年は、当アカウントでささやかなチャリティ・オークションを開催することにしました。

「ささやか」と申し上げた通り、豪華で希少な品では決してありませんが、もし興味のある商品があれば、お手元の許す限り入札いただけると幸いです。
オークションで得た収益は、マークが主演し日本でも映画館上映された舞台「英国万歳!」、そして新型コロナウイルスの影響で2021年に上演が延期された舞台“A Christmas Carol”を製作・上演する劇場ノッティンガム・プレイハウスの再オープン支援キャンペーン“Curtain Up appeal”に寄付する予定です。

寄付に関する詳細・進捗は、マーク・ゲイティスInfoのTwitterアカウント及び当ブログにて随時報告致します。
(なにぶん初の試みのため、慣れずにうまくいかない場面もあるかもしれませんが、ご協力頂ければ幸いです。うまく行ったら来年の企画につなげていきたいと思っています。)

The Stageから2019年のリージョナル・シアター・オブ・ザ・イヤーを受賞したノッティンガム・プレイハウスは、国内有数のプロダクション・シアターで、年間を通して時代を超えた古典から創造力に富んだファミリー・ショー、冒険的な新しいコミッションまで、様々な作品を制作しています。

ノッティンガム・プレイハウスは、誰もが自分の居場所を感じられる空間でありたいと考えており、ノッティンガムの街を反映した多様な物語を伝えるために舞台を使用しています。幅広い参加プログラムは、コミュニティに人生を変えるような体験をもたらし、また、Amplifyプログラムを通じてイースト・ミッドランズの次世代の演劇人を支援しています。


ノッティンガム・プレイハウスは登録された慈善団体でもあります。集めた資金はすべて、可能な限り多くの人々に新しい機会を提供し、忘れられない思い出を作るために役立てられています。

(劇場ホームページより)

【出品中の商品は以下の通りです】
(2020.10.17追記)オークション企画は終了致しました。ご協力ありがとうございました!)

また落札された方には、管理人お気に入りのマークの写真をプリントした特製ポストカードを同封予定です。(品質はあまり期待しないでください…)
商品の詳細は各ページ、入札以降の流れについては、ご利用ガイドをご確認ください。
オークションに入札するには、Yahoo! JAPAN IDが必要です
(匿名発送を可能にするため、ヤフオクにて出品しています)

【商品お受け取りまでの流れ】
落札者情報を連絡 → 落札代金のお支払い → 出品者が商品を発送 → 商品受け取り後、受取連絡
(当Twitterアカウントをフォローされている方はIDをお知らせください。寄付先へ金額と合わせて報告致します。※任意)

【入札・落札の注意点】
・中古品のため、新品同様の品質にこだわる方は入札をご遠慮ください。本商品の返品および交換はいたしかねます。
・入札後の取り消し依頼は受付いたしかねますので、責任を持った入札をお願いいたします。
・商品発送後の配達事故等による責任は負いかねます。
・ご不明な点がありましたら、ヤフオクの質問欄、もしくはTwitterを通してお問い合わせください。

ちなみに、英国でもファンが立ち上げた誕生日プロジェクトが始動しています。
舞台パンフレットからファンフィクションまでオークションに出品されているので、英語でのやり取りが可能な方はこちらも見ていってくださいね。
https://markgatissbirthdayproject.tumblr.com/
寄付のみ希望の場合はSwitchboardへのファンドレイジングページへ。

もちろん「オークションには参加しないけど、個人で寄付したい!」という方は、この記事の後半にあるリンクから興味のある団体への支援をお願い致します。

マークが支援する主な団体

◆◆Switchboardへの寄付◆◆
https://www.justgiving.com/switchboardLGBT

◆◆「Dear NHS」を購入して、英国国民保健サービスに寄付◆◆

◆◆Stand Up to Cancerの共同がん研究プログラムへの寄付◆◆
https://standuptocancer.org/donate/

◆◆Kings’s Head Theatreへの寄付◆◆

マークとイアンのコメント
「今は誰にとっても困難な時期であり、多くの価値ある団体が助けや支援を求めています。 特に劇場は、状況が最終的に『通常』へと戻る時に、最後の再開の波に乗る可能性が高く、かなり苦しむことになりそうです」
「King’s Headは素晴らしい施設であり、エキサイティングな新章に移ろうという時に失うとしたら大変な悲劇です。 その輝かしい過去、質の高い革新的な作品を作る現在、そしてその未来のために、劇場が生き残り繁栄することを切に願っています」

https://www.kingsheadtheatre.com/donate

SHERLOCK放送10周年記念切手発売!

英国ロイヤルメールから「SHERLOCK」放送10周年を記念した切手が発売されることになりました。

種類が沢山あるので、どう違うのか、それぞれの商品を比べてみました。

【SHERLOCK記念切手】

まず切手6枚がセットになった、基本のシートから。

シャーロック、ジョン、ジム、メアリー、アイリーン、マイクロフトがそれぞれデザインされた切手シートです。
(左)Sherlock Stamp Setが一番シンプルな切手だけの6枚(=1st class / £1.42 / £1.68 ×2枚)シート
(右)そして、S4の出演者勢揃いのカード付きシート

(1st class切手は英国内で原則翌日に配達される郵便向け。)

同じ切手の柄が6枚あるカード付きシート(シャーロックのみ/モリアーティのみ)もあります。

モリアーティの方が値段が高いのは、切手の値段が高いから?(モリアーティ=1.42/シャーロック1st class→£1.15前後?)
シャーロックだけ、モリアーティだけ欲しい人や、現地でシャーロックファンの誰かに手紙を送りたい人にはいいかも。

この他に、S4のビジュアル付きシートがあります。これは観賞用に作られているもののようです。


(上)額装マット付き(19.99)
(左)額縁付き(29.99)
(右)額縁+マークのサイン入り《限定版》(109.99)
の、3種。サイン入りが今回の目玉とも言えるかも。

もっと他の場面が見られる切手シートが欲しい!という人向けにはA4サイズの切手10枚シート(=1st class ×4枚、£1.42 ×2枚、£1.68 ×2枚)があります。

Sherlock Collectors Sheet(11.95)

切手シートのみ(11.99)

金額の違いは、額があるか等の仕様の違いです。

額入りのものは他に、一枚の切手を大判にしたギャラリープリント3種があります。

Sherlock: The Reichenbach Fall Framed Gallery Print(75.00)

《限定版》シャーロック「ライヘンバッハ・ヒーロー」

Sherlock: A Study in Pink Framed Gallery Print(75.00)

《限定版》ジョン「ピンク色の研究」

Sherlock: The Great Game Framed Gallery Print(75.00)

《限定版》モリアーティ「大いなるゲーム」

これらはそれぞれ《限定版》500個。予約はお早めに!

切手コレクター向けには、リリース日の消印がついた初日カバー”First Day Cover”も。
消印がついているので、送るために使うことができないものです。

Sherlock First Day Cover (London, NW1 Postmark)(9.99)

「221B Baker Street」の消印付きシート(名前・住所付き)

Sherlock First Day Cover (Tallents House Postmark)(9.99)

「The Game is afoot」の消印付きシート(名前・住所付き)

この消印付きシートは自分の名前・住所を入れて送ってもらうことができるもの。
名前と住所のない消印のみの仕様もあります。(下)

Sherlock Stamp Souvenir(9.90)

「221B Baker Street」の消印付きシート(名前・住所なし)

消印付きシートは、メダルがついた《限定版》もありますよ!

Sherlock and Moriarty Limited Edition Medal Cover(19.99)

《限定版》シャーロック&モリアーティ「白銅製メダル」

Sherlock & Moriarty Limited Edition Silver Medal Cover(99.99)

《限定版》シャーロック&モリアーティ「銀製メダル」

メダルの違いは「白銅製」と「銀製」。そのため値段も異なります。
「白銅製」は7,000枚、「銀製」は600枚限定

切手はいらないけど他のグッズが欲しい人はこちらもどうぞ。

Sherlock Postcards(4.95)

ポストカードセット(11枚入り)

ここまでが「SHERLOCK」デザインのもの。

【原作デザイン切手】

さらに、原作をモチーフにした切手シリーズもリリースされます。
絵柄は「まだらの紐」「赤毛連盟」「第二の血痕」「踊る人形」の4種類。

Sherlock 6 x 1st Stamp Book(4.56)

原作ホームズ切手2枚(「赤毛連盟」「まだらの紐」)を含む1st class切手6枚セット

Sherlock Miniature Sheet(4.88)

原作ホームズデザイン切手4枚シート

Sherlock Framed Miniature Sheet(29.99)

原作ホームズ切手4枚シート(額入り)

Sherlock First Day Cover Miniature Sheet (London, NW1 Postmark)(6.50)

「221B Baker Street」の消印付きシート(名前・住所付き)

Sherlock First Day Cover Miniature Sheet (Tallents House Postmark)(6.50)

「The Game is afoot」の消印付きシート(名前・住所付き)

The Genius of Sherlock Holmes Limited Edition Medal Cover(19.99)

《限定版》シャーロック・ホームズ「白銅製メダル」(7,000枚限定)

The Genius of Sherlock Holmes Limited Edition Silver Medal Cover(99.99)

《限定版》シャーロック・ホームズ「銀製メダル」(600枚限定)

【セット商品について】

Sherlock Presentation Pack(13.50)

「贈り物セット」「SHERLOCK」から切手6枚シート原作デザインの切手4枚シートがセットになっています。ジャーナリストのトム・ハドルストンによる番組解説シート付き

Sherlock Untimate Fan Bundle(25.50)

「究極のファン包み」。上記の「贈り物セット」”Presentation Pack”に加え、「221B Baker Street」の消印付きシート(名前・住所なし)、ポストカードセットが揃った一式。

【オーダー方法】

①ログインもしくは登録

ロイヤルメールのショップを利用したことがある人はメールアドレスとパスワードを入力してログイン。利用したことのない人は”Register”ボタンから登録します。

個人利用なら”Personal use”にチェックして”Continue”で先に進む。

②アカウントを作る

氏名、メールアドレス、パスワード、パスワードを思い出すためのヒントを入力します。
(セキュリティー上、Eメールを利用したパスワードリセットが出来ないためにヒントの入力が必要になります。)
そして届け先の住所を入力。(住所の書き方はこちらを参考に)

③支払い

登録が済んだらカートへ戻り、商品の内容・個数・宛先などの情報に間違いがないか確認し、チェックアウトページに進みます。
支払い方法はカード(MastercardかVISA)、もしくはPayPalのどちらかです。
後は国内のカード支払いの入力と同じ。

Success!の画面が出て、確認メールが届いたら予約完了です。

いかがでしたでしょうか?
それぞれに目的や好みにあった商品を検討してみてくださいね。

マーク出演作を大手配信4社で比較してみた!

サブスクリプションで映像や音楽を楽しむのが主流となっている昨今。
以前はDVDの発売を心待ちにしたり、テレビ放送を録画して大切に保管するのが当たり前でしたが、各配信サービスの登場でテレビのチャンネルを合わせる感覚で映像を楽しめるようになってきました。
拙ブログでもマークの出演作を一覧にして配信やDVDリリース情報をまとめていましたが、出演映画が増えたこともあって、どの配信サービスがどの作品を配信しているのかわかりにくい!
そんな個人的なイライラもあったので、今回は日本で公開・発売・配信履歴のある作品の中から、配信各社で取り扱っている作品を表にしてまとめてみました。結果は以下の通り。⭕️ から配信ページに飛べるようになっています。
(2020年8月2日作成、随時更新中)

AmazonプライムNetflixHuluU-NEXT備考
オペレーション・ミンスミート上映中
ロックダウン購入・レンタル⭕️2021/11/3
レンタル開始
ファーザー購入・レンタル⭕️購入⭕️その他
配信状況
ドラキュラ伯爵⭕️
グッド・オーメンズ⭕️
ブレグジット EU離脱購入
またはスターチャンネルEX
⭕️
喜望峰の風に乗せて⭕️⭕️⭕️
女王陛下のお気に入り購入・レンタル⭕️D+で配信有
プーと大人になった僕購入・レンタル⭕️D+で配信有
TABOOスターチャンネルEX⭕️
ガンパウダー
ダッズアーミー
われらが背きし者⭕️⭕️⭕️
ザッツ・ファビュラス!購入・レンタルD+で配信有
否定と肯定⭕️⭕️
ウルフ・ホール⭕️⭕️
ヴィクター・フランケンシュタイン購入・レンタルD+で配信有
ロンドン・スパイ
ゲーム・オブ・スローンズ
(出演回)
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ビーイング・ヒューマン
孤高の警部 ジョージ・ジェントリー
 『消えた子供』
シャーロック SHERLOCK「忌まわしき花嫁」は購入・レンタル有。
S3のドキュメンタリーのみ視聴可
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バーナビー警部『ギョームの剣』
分別と多感
名探偵ポワロ『死との約束』購入・レンタル
ドクター・フーSP
 『戦場と二人のドクター』
購入・レンタル⭕️
ドクター・フー(出演回)購入・レンタル⭕️
ジキル
銀河ヒッチハイクガイド購入・レンタル
マッチポイント購入・レンタル⭕️
ショーン・オブ・ザ・デッド購入・レンタル⭕️
アガサ・クリスティー
 謎の失踪 失われた記憶
ミス・マープル『牧師館の殺人』
リトル・ブリテン
となかいロビー『伝説の勇者』購入・レンタル⭕️⭕️
SPACED 俺たちルームシェアリング
バースデイ・ガール
リーグ・オブ・ジェントルマン

結果としては、独占配信作品もあるので、どれが一番好きな作品かによって選ぶべきサービスが違ってきます。個人的な感覚で見ると

Amazonプライム
・「グッド・オーメンズ」や「ゲーム・オブ・スローンズ」が大好き!
Netflix
・「シャーロック」と「ドラキュラ伯爵」はいつでも見られるようにしておきたい!
Hulu
・「ドクター・フー」を全エピソード見たい!
U-NEXT
・映画をたくさん楽しみたい!

という感じで好みが分かれそう。管理人もこの表を参考に今後の契約を考えてみようと思います。
また他の配信サービスで良いところがあれば表に加えていきたいです。
見たい作品があれば、ご利用中のサービスを確認して試してみてくださいね。

(2022年4月1日更新)

「英国万歳!」マークの特別メッセージ 和訳

こんにちは、そしてアラン・ベネットの「英国万歳!」NT Live ストリームにようこそ。この作品は、2年前にノッティンガム・プレイハウスが製作し、僕がジョージ3世として主演しました。

ええと、この舞台について話せることは? …僕の成し遂げた最も誇れる仕事の一つです。非常に短い公演で1ヶ月にも満たなかった。でも多くの意味で僕にとても大きな影響を与えていると思います。並外れた役柄と舞台。(作者の)アラン・ベネットはいつだって僕のヒーローでしたし、(舞台のオリジナルキャストであり映画版で主演の)ナイジェル・ホーソーンや(ロンドン再演で主演した)デヴィッド・ヘイグらの足跡をたどることは、大きな挑戦であると同時に、とてもハラハラするものでもありました。

アダム・ペンフォードに呼び出しを受けた時、僕は彼と”The Boys in the Band”をやっていました。僕はやっかいごとに巻き込まれると思っちゃって…なんでかわからないけどね(笑)、彼はノッティンガム・プレイハウスを引き継ぐにあたっていくつか責任があると言っていて、そのうちの一つは、もしアダムが職を得たら、僕がジョージ3世を演じるということでした。それがすべての始まり。でも「イエス!」というのは簡単で… チャールズ1世やジョージ4世を演じたことはあった。だから王様を演じるのが好きだし、そこに身をおくのは面白い。しかし、この物語は特別なものがあって、このとても優しい男のゆっくりとした崩壊を描いてる。

この題材がアラン・ベネットのような繊細で思いやりのある才能を描いたのは偶然ではないと思います。アランは劇中の前書きで、ジョージはどちらかというと冴えない王様だと思って育ってきたと書いていて…それが彼の心に訴えてくるんだと思います。農民王であろうとした男の根底の良識がそこにある。彼は国民の一人であろうとし、君主制を近代化しようとし、そして恐ろしい試練に襲われるんです。結局のところ、それがすべてを一変させるのであって、王様だからということじゃなく、個人的な発見と恐怖の旅なんだと思うんですね。

とにかく、この公演でデブラ・ジレット、エイドリアン・スカボロー、サラ・パウエル、ルイーズ・ジェイムソンといった人たちとともに参加出来て素晴らしかった。楽しかったし、僕らは本当にトランスファーしてもう一度やれたらとずっと願ってる。もちろん、公演期間半ばでNT Liveをやり遂げて、あれは恐怖そのものだったけど、とても上手くいって誇りに思っています。そしてあなたに一週間楽しんでもらえる。

NT Liveはこれらの作品を毎週木曜日、一週間ストリーミング配信しています。ご存知の通り、今、演劇界は危機に瀕しているので、将来このようなショーを可能にするために、あなたができることはなんでもしてくださいね。
最後にもう一度。この役を演じ、この素晴らしいカンパニーの一員になれて光栄でした。みなさんに楽しんでいただけたらと思います。What what!

「英国万歳!」イントロダクション和訳

アラン・ベネット(劇作家)「大学で歴史を学んだので、ジョージ3世のことは少し知っていました。そして、摂政危機と呼ばれる、最初に精神病の症状が出た時のことや、それがのちに再発するものの比較的短かったことも知っていました。ある意味、それは劇作家への贈り物で、始まりと中間と終わりがある。私は筋立てが得意ではないので、個人的に、プロットがすべてそこにあるのはありがたかったのです」

(稽古場風景)
ジョージ3世「余は其方のリンカンシャーの気のふれた患者ではない! 都会の、都市の、お、お、王家の…」

マーク・ゲイティス(ジョージ3世役)「素晴らしい芝居だし、もちろん輝かしい役です。アランは僕の子供時代から大きな影響を与えてくれました。特にこの芝居のアランの意見と歴史的記録と人間的な物語のコンビネーションが気に入っています。

【世界がひっくり返った】

アーサー・バーンズ(歴史家)「ここが王室図書室です」

【王室図書室 ウィンザー城】

アーサー「ジョージ3世に関連する資料の中から、あなたに見せたいものを選び出してみました。これらはすべて現物です」
マーク「すごい」
アーサー「ジョージの病について少しと、人としての彼について語っているものです」
マーク「素晴らしい」
アーサー「複雑なキャラクターですからね」
マーク「急にすべてがとても生き生きとして現実的になりますね」
アーサー「これらの文書を見ると、劇中で響くフレーズに出くわすことが多いのが印象的です」

アダム・ペンフォード(演出家・劇場芸術監督)「当時、ジョージ3世は狂人だと思われていましたが、何故かはわかっていなかった。のちに、王の尿が青かったことからポルフィリン症のせいだと言われるようになりました。最近では、ある種の神経衰弱と見られていますが、若い頃のジョージは、かなりの自然体だったという説があります。君主になるために家庭教師から教育を受けた際には、もっとしつけがよく厳格になるよう教わったんです。そして現在は、おそらく長年の抑圧が原因で精神的に衰弱したと考えられています」

「ベストを持ってこい!」

アーサー「これは目を見張りますよ。最悪な治療について淡々と記述したものです」
マーク「『夜間、陛下は落ち着きなく混乱した状態になり、ベッドから飛び起きて、他に随分と動揺していた。朝の5時頃になると、陛下は制御出来なくなり、ベストを着用しなければならなくなった。』ここが僕のお気に入りだ。『両足は縛られ、胸の上で拘束されており、朝のお見舞いに伺うと陛下はこの憂鬱な状況の中にいた』」

アダム「君主制はその性質上、演劇的なものです。王族は表現を与えてくれる。劇場、音楽、衣装、小道具、演出、すべてが象徴になるんです」

アダム「ノッティンガム・プレイハウスのホワイエにいます。子供の私が1980年代、初めてパント劇を見に来た劇場です。観客席はかなり大きく、すべて取り付けると770席になります。ノッティンガム・プレイハウスはプロデュース劇場で、それはほとんどの作品を実際の劇場の中で、自分たちで作ることを意味します。私たちには、最近では多くの劇場が持っていない製作部門があります。それに衣装部、小道具部、大道具部、そしてそれらの仕事をこなす高い技術を持ったスタッフがいます。背景のいくつかは、セントポール寺院の位置の特定に役立ったカナレットの絵画を基にしています。そして公演は舞台となった摂政政治時代の織物から作られたものではなく、プリントされた幕で始まるのです」

「小道具部にやってきました。この部屋は大好き。いつだって見ていて楽しいものがあります。パント劇のネズミ…生首は役者の一人がモデルで、『復讐者の悲劇』で使われていたと思います」
「ジョージ3世は私たちにとって大きな公演です。大勢の出演者に、多彩な場面…平均的な芝居よりはるかに多い。ありがとう、アラン・ベネット。シェイクスピア劇に似てなくもないですね。大規模な共演の宮廷シーンかと思えば、次の瞬間にはもっと親密で家族内の2人のシーンにまで小さくなる。

王妃「言いたいことはないの、陛下?」
ジョージ3世「何を言えと? 結婚して28年、一度も離れたことはなかった。1日さえも。そして余を苦しめる奴らに捨て置いたんだ。恩知らずめ!…それが言いたいことだ」

デブラ・ジレット(シャーロット王妃役)「確かに男の世界ですね。彼女の立ち位置は結婚している相手のそば。王妃はかなり怒りっぽいと思います。人が彼女をどう思うかちっとも気にしていない。それがあったからこそ、彼女はこの世界で長く生き延びることが出来たのだと思います。彼女には数人の親しい友人がいて、(サラに向かって)劇中ではあなたが唯一の友人」
サラ・パウウェル(レディ・ペンブルック役)「第一女官は非常に特権的な役割です。彼らは温厚で、多くの問題を解決しています」
デブラ「世話焼きで感情的な知性も持っているんです。深く考えていて…」
サラ「それに王妃には子供が15人! 15人ですよ! 彼女って身体的に…」
デブラ「小さいけど強いの」
サラ「身体的にとても強いんだわ!」

アーサー「これは王妃が受け取った手紙で、こちらの手紙は王妃から王へ送られた完全なる普通の手紙なので選びました。手紙は『Sir』で始まりますが、その後は…」
マーク「『陛下のお手紙の到着に1時間前の私ほど喜んで驚いた者はおりません。水曜日夜にご帰還の陛下を抱きしめお喜びするのを苛立ちながらお待ちしております』
口述的な手紙ですが、ジョージと入るところには陛下と書かれていますね?」
アーサー「ええ」
マーク「素敵だな」
アーサー「締めくくりもいいですよ」
マーク「『陛下の最も愛情深く愛着のある妻、シャーロット』」

王妃「ジョージ、息子を摂政にする法案が準備されているの。私の言うことが分かる? あなたの代わりに統治するために!」
王「摂政?(笑) 太った息子か。いやいや、ありえない」

マーク「『世界がひっくり返った』と言う言葉は味わいがありますね。それに当然、それは定期的に起こる。安定があって、それから帝国は崩壊。そしてすべては争いとなる。チャンスはないと思っていた野党が垂木の中に身を潜めて襲いかかる準備をする。ウェールズ公は王になりたくて仕方ない。すべてが変わろうとしている」

アダム「私がこの作品を書いた1990年、明確な権力はウェールズ公にあった。彼曰く『皇太子は紳士の職業だ』。そしてチャールズ皇太子にも言えることだ。1990年も現在も」

ジョージ3世「いやだ、いやだ…」
王妃「ダメよジョージ!」

アラン「誰かが最近、この芝居を完璧なブレクジットのメタファーだと表現しました。ブレクジットは私たちの国民的神経衰弱、そして王は国家を体現している」

マーク「まるで数年前の国民投票前のよう。1週間ニュースが溢れかえっていた。驚異的でしたね。頭がクラクラして、毎日何かしら起こっていて(笑)『お願いやめて!』って言いたくなる」

ドンマー・ウェアハウス「コリオレイナス」観劇記録(2013年12月16日)

以下の記事は2014年4月に投稿した、管理人の個人ブログから転載・編集したものです。
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いよいよ「コリオレイナス」の上演時間が近づいて来ました。

まず、チケットをピックアップしにDonmar Warehouseへ。
郵送も出来たみたいなのですが、なくすと怖いので、私はBox Officeに取りにいくことにしています。

1年と8ヶ月ぶりくらいのドンマーでの観劇です。
初めてドンマーで見たマークが出演していた“The Recruiting Officer”も、同じ芸術監督のJosie Rourkeによる演出。
前回は一階席(Stall)でしたが、今回は人気公演ということもあり2階席(Circle)。チケットを確保出来ただけも奇跡です。

「コリオレイナス」はシェイクスピアの書いた最後の悲劇です。
隣国ヴォルサイとの戦いに勝利したローマの将軍ケーアス・マーシャス(後にコリオレイナス)が
帰国後、英雄として称えられ執政官に推挙されるものの、
その傲慢さ故、彼を疎む市民を利用した護民官の策略によって、
反逆者としてローマから追放され、ヴォルサイに潜伏し祖国への復讐を誓うという筋書きになっています。

映像作品としてはレイフ・ファインズ主演の現代版コリオレイナス=「英雄の証明」が一番手に入りやすいので、
予習の一つとして鑑賞するのもいいかと思います。

この公演が初めてアナウンスされた時、
コリオレイナストム・ヒドルストン、その友人のメニーニアスマーク・ゲイティスが演じる、
というところまで発表されたわけですが、随分若い配役だな、と思ったものでした。
特にメニーニアスなどはほとんど老人から壮年に近い役者が演じる役のように思えていたのです。
ですが、見終わった後は、そんな違和感はいつのまにか消えてしまっていました。

ーーーーーこれ以降はストーリー・演出の内容も含みます。戯曲未読の方はご注意下さい。ーーーー


客席に入り、舞台を見ると、セットは中央に黒い梯子、
背景に赤いコンクリートの壁、装置は複数の木の椅子のみとシンプル。
日本の舞台でも、椅子を塹壕や足場に見立てるという表現に慣れ親しんでいるので、
この装置演出自体はスッと受け入れられるものでした。

序盤の戦場の場面では火花や黒い煤が天井から飛び散り、
プロジェクションマッピングも使用されています。
火花は小さいですが、落ちた瞬間は暗い劇場の中がパッと明るくなるので、
その瞬間の様子はフラッシュのように鮮明に頭に焼き付きました。
“The Recruiting Officer”の演出が非常に真っ当というか、奇抜なものではなかったので、
この作品は演出家として挑戦的に試行錯誤したものだったのではないかと思います。

物語の始まりは、マーシャスの息子が、
赤いペンキで、舞台上に四角い枠を描くところから始まります。
(この枠が後の場面で部屋の壁を表したりするのです。)
その後、演者が四方から登場し、正面を向いて一列に並ぶと、一斉に舞台後方へ振り返り
観客から見えるところで椅子に着席。
その後は、他の人物の台詞から名前が出ると、
その役者が立ち上がり、前に歩み出て役に入り込みます。

■■

特に今回楽しみだったのは、メニーニアスが市民の反乱を胃袋とその他の臓器に例える小咄の部分です。
きっと面白可笑しくしゃべってくれるだろうと思っていましたが
お腹をポンポコ叩いたり、ウエストコートの裾をペロっと捲らせたりしながら、
身振り手振りを使って楽しく聞かせてくれました。

そして、その後登場したトムヒ演じるコリオレイナスは美しく、茶目っ気があり、
まさしく彼らしいスター性を感じさせます。
戯曲を読む分には、コリオレイナスは自己中心的で傲慢な軍人という印象がありますが、
彼の演じるコリオレイナスは若いということもあって、
その若さゆえの向こう見ずさという一面も加わっているようです。

茶目っ気という点では、武功をあげて帰ってきたコリオレイナスが、
周りに推されていやいやながら市民から執政官となるための推薦状をもぎ取る場面が特に見所です。
この作品は悲劇ではありますが、コミカルに演じられて少し息抜きになる部分でもあります。
またコリオレイナスが独白をするたびに、周りに語りかけるように天井を見上げて喋るので、
劇場で見ているとついつい「トムヒが自分に向かって喋りかけている!」と錯覚してしまいます。
いや、錯覚ではないと信じたい!(笑)

また、批評で”2人の描き方がゲイっぽすぎる”と方々で見かけた、
コリオレイナスとハドリー・フレイザー演じる宿敵オーフィディアスの関係。
ヴォルサイに潜伏するコリオレイナスと再会した時のオーフィディアスの歓迎ぶりが、
殺すのかと思いきや、ナイフを構えたままキスの嵐を浴びせかける様子が余りにも愛に溢れ過ぎて(笑)
「ここか例の部分は…」と理解しました。
戯曲でも仇敵という関係を超えた友情の態度を見せ合う2人ですが、
この過剰なまでの愛情表現は客席へのサービスでしょうか…。

ハドリーさんは「レ・ミゼラブル」のマリウス役でデビューされてから
ミュージカル俳優としても知られる優れた役者でいらっしゃいます。
オーフィディアスにしておくには勿体ないですね。
後ろで座ってる時間が長いし…。勿体ない。

観客へのサービスといえば、戦いから戻ったコリオレイナスのシャワーシーン
見る前から既に話題になっていたので、そういう場面があることは知っていたのですが、
実際見たらちょっと照れくさくて笑ってしまいました。劇場の中でも若干クスクス笑い声が…(笑)。
シャワーというか、打たせ湯って感じ。
しかし、傷の痛みを堪えながら血まみれの体を洗い落とすトムヒの演技は素晴らしかったです。

■■■

メインの役者だけでなく、脇役の演技も触れないわけにはいかないでしょう。
コリオレイナスを尊大に育てあげた母、ヴォラムニアは、
映画「英雄の証明」のヴァネッサ・レッドグレイヴの演技が強烈に印象に残っていたのですが、
デボラ・フィンドレーも、非常に力強い母親像を演じていました。
ヴァネッサは、コリオレイナスが追放された後も相変わらず強気な母親であった一方で、
デボラの演じた母は、まとめていた髪を下ろし、物腰も少し柔らかくなって疲弊した母親。
もちろん息子を正しい道に導こうとする強固な姿勢は変わりませんが、
彼女の様子から、その後の一家のローマでの扱われ方がなんとなく想像出来るのです。
(私の中でデボラは今でもグラナダ版ホームズ「ボール箱」の腹の立つ次女というイメージですが・笑)

妻のヴァージリアはデンマーク出身のBirgitte Hjort Sørensenが演じています。
母よりむしろこの妻の方が切れ具合が痛快でしたね。
戯曲のイメージだと、ひたすら打ち拉がれているような雰囲気なのかと思いきや、
夫のコリオレイナスを追放した護民官に食って掛かるところなんか、
暴走列車のようで面白かったです。

護民官については、ドンマー版の興味深い部分として、
護民官のシシニアスが男性ではなく、女性のシシニアとして描かれている点が気になりました。
どういった解釈で”彼”が”彼女”になったのかは分かりませんが、
(どこかに書いてあったかな…)
男性のままのブルータスとの恋愛関係もはっきり描かれていました。
カップルにすることによってブルータス&シシニアの強固な関係を示したかったのかもしれません。
この二人は、この舞台の中でもとてもユーモラスな存在で、メニーニアスとのやり取りも軽妙でした。
ヴォラムニアから散々罵られた後、ブルータスの言う
「なるほど…じゃあ(行く方向を指差して)行きます」の台詞なんかは笑ってしまいます。

■■■■

後から気付いたのですが、コミニアスを演じていたPeter De Jerseyって、
映画「バンク・ジョブ」やドクター・フーの”The Day of the Doctor”にも出ていたんですよね。
見覚えがある人なのに初めてみたような気分で見てしまっていた…。
コミニアスはこの作品の中で一番気分にムラのない、まともな?キャラクターに思えます。
国に対して忠実ですし、コリオレイナスに対しても常に敬意を持って接します。
議事堂内ではメニーニアスとコショコショ内緒話をする姿が目立ちました(笑)。
2人で何を喋っているのか気になる…。

コミニアスは、ヴォルサイの将軍となったコリオレイナスにローマへの進軍を止めさせようと説得を試みますが、
故国に捨てられたコリオレイナスは断固として進軍を止めようとはしません。

私が最も感動したのは、コミニアスの帰還後、護民官に説得されてメニーニアスがコリオレイナスに会いに行く場面です。
コミニアスが追い払われたことで自分も追い返されるかもしれないと、渋るメニーニアス。
「でも、食事前の機嫌の悪い時に会ったのかもしれないしな」と複雑な表情を浮かべながらもなんとか重い腰をあげます。

正直、戯曲を読んだ後、この場面は「コメディみたいにならないのだろうか?」と思っていました。
時に厳しく、友人として、父代わりとしてコリオレイナスを諭して来たメニーニアスは、
“愛する息子”が自分を歓迎しないはずがないと断言するのですが、
信じようとしないヴォルサイの衛兵たちに追い払われようとされているところで、コリオレイナスが現れます。
メニーニアス「おまえたち、今に見てろ!」と親が迎えに来たいじめられっこのような台詞を吐くのですが(笑)
コリオレイナスは彼に「失せろ」と言い放つのです。

文字でこの部分を読むと、勘違いしてたメニーニアスがひどく滑稽に見えてくるのですが、
私たちが目にしたのは、愛するものを失ったことに深く傷つき、絶望的なまでに悲しむメニーニアスの姿でした。
跪いてコリオレイナスの手を取り、涙を拭いながら祖国を救うよう懇願したにも関わらず拒絶されたメニーニアス。
彼の顔からは色が失せ、肩をがっくりと落とし、立ち去りながらコリオレイナスから受け取った手紙をハラリと落とします。

マークの生の芝居を見たいがためにまたドンマーにやってきた私は、
こんなにも胸を打つ芝居をする人なんだと心をさらに鷲掴みされました。
彼はコメディアンとして舞台経験は何度も踏んでいるはずですが、
コメディ以外でも経験を積む程に舞台役者として成熟していっているように思えます。
彼は単なるキャラクター俳優ではないのですよ!

■■■■■

本来の戯曲通りであれば、この後にヴォラムニアが義娘と孫を連れて息子に会いに行き、
ついにコリオレイナスがローマとの和睦を約束した後、
メニーニアスとシシニアスが母上の説得を待っている場面が入ります。
しかし、ドンマー版では母上がコリオレイナスの説得に成功し、
ローマへと帰った後にすぐオーフィディアスたちに裏切り者として捕らえられます。
そしてそのままエンディングへ。

ドンマー版の脚本は、端役の会話等をあちこち大胆に削っているのですが、
どれも確かに無駄に感じられる部分なので、
この改訂も、メニーニアスの出番が減ってしまったものの、納得の行くものだったと思います。

エンディングはとてもショッキングですが、実はこの前に見た”Mojo”でも同じような光景を目にしたので、
「最近は○○されるのが流行ってるのか?」と思ってしまいました(笑)。

■■■■■■

見終わってしばらく経ってから振り返ってみると、
このドンマー版は、シェイクスピア作品の古典としての芸術性よりは
エンタテインメントに徹して作られているように感じました。
もちろん、民主主義と独裁主義の対立、またそのどちらも実は残酷な政治体系であるということが根本に描かれていますが、
先に書いたように、数々のサービスシーンや、狭い空間の中で使われた演出上の試みは、
見る者をまず刺激しようとする意識が汲み取れます。

観客は年配の方も少なくなかったですが、
やはりトムヒを目当てに見にきた若い世代にも、(私のような異国から来たものに対しても?)
敷居を低くする意図があったかもしれません。
実際、見終わった後、想像よりも受け入れやすい作品だと感じられました。

ドクター・フー50周年ドキュドラマ”An Adventure in Space and time”同時再生実況ツイートまとめ

5月23日(土)7pm(日本時間翌3am)より、マークが脚本・製作を担当したドクター・フー50周年ドキュドラマ”An Adventure in Space and time”の同時再生企画が開催されました。
マークと演出家ウァリス役のサシャ・ダワンがツイッター実況で参加。
この記事では舞台裏を語るマークのツイートを訳してまとめています。
ツイートの下が日本語訳、続いて青枠の中が解説です。

「終わりには程遠い」

※1代目ドクターのエピソード”Tenth Pranet”でのセリフ

「明日の夜7時、”AAiSaT”同時再生にみなさんが参加できることを願っています」
「今夜7時!」
「”AAiSaT”は本当の意味で愛するからこそやった仕事だった。僕は3代目ドクターで育ったけど、神聖な作品の中で語られるDW初期の魔法にはいつも心を奪われる。(初期のメイキングがあるのは知っているけど、これは僕なりのメイキングです)
「もちろん、バーンズ・コモン! このシーンは元々、デヴィッド・ウィテカーの”Dr Who and the Daleks”のように、霧の中での衝突から始まった。実際の撮影現場はウィンブルドン・コモンで、‘The Massacre’の最後でターディスが建てられた場所でもある」

※冒頭の車のシーン。”Dr Who and the Daleks”は1964年に出版されたデヴィッド・ウィテカー作のドクター・フー小説。ドラマ版とは異なり、コンパニオンがバーンズ・コモンで起こった交通事故で出会うシーンがあります。”The Massacre”は、1966年に放送された1代目ドクターのエピソード。

「僕はオリジナルのサイバーマンを今作に入れようと決めていて、ポール・マクナマラ(小道具担当)がオリジナル・チームと同じくらい素晴らしい仕事をしてくれた。喫煙シーンは”Revenge…”のサイバーマンの写真に触発された」

※”Revenge…”は4代目ドクターのエピソード”Revenge of the Cybermen”?

「想像の通り、ウィリアム・ラッセルの出演は特別だった。
彼は役の元になった守衛を覚えていたんだ!
これが協力的で頭の切れる彼とイアン第2世代、ドクター・フー一族から迎えた素敵なジェイミー・グローバー」

※ウィリアム・ラッセルはかつて1代目ドクターのコンパニオン、イアン役でドクター・フーに出演。”AAiSaT”には守衛役で出演しています。
ジェイミー・グローバーは”AAiSaT”の中のウィリアム・ラッセル役として出演。彼の父ジュリアン・グローバーはリチャード一世役などでドクター・フーに出演している「ドクター・フー2世」です。

「シドニーはとても多彩なキャラクターで、キャスティングが大変だった。ジョン・リスゴーやジェームズ・ガンドルフィーニでも話し合っていたんだ。
そしてブライアン・コックスを”The One Show”で見て… バン!バン!バン!
ブライアンは休暇の予定を変更してやってくれることになった。彼はテレビジョン・センターにも温かい思い出を持っていたんだ」

※”AAiSaT”の撮影場所であるテレビジョン・センターは1960年代からBBCの名物番組の数々が収録されたスタジオ。このドラマが撮影された直後の2013年に一度閉鎖、再開発中。

「ああ、ヴェリティ! 彼女と少し知り合うことが出来てラッキーだった。大いなる力でありドクター・フーの忠実な友。ビジョン・ミキサーのクライヴ・ドイグが彼女の「赤いワインのキス」について詳しく教えてくれた。(続く)
「(続き)ヴェリティ、ウァリス、シドニー、ビルを主要キャラクターにするべきだとはっきりした。テリー・ネイションとレイ・キューシックのサブプロットや、トニー・ハンコックのカメオ出演もあったんだよ!
後にジェシカ・レインが新生児誕生の専門家になったんだけどね…」

※テリー・ネイションはドクターの天敵ダーレクが初登場するエピソード”The Dalek”の脚本家。そのダーレクをデザインしたのがレイ・キューシック。トニー・ハンコックは当時の人気俳優。ジェシカ・レインがドラマ「コール・ザ・ミッドワイフ」に助産師役で出演していたため「新生児の誕生」と「ドクター・フーの生みの親」を引っ掛けている。

「『ガラス瓶の中の脳みそ』。想像してみて!」
「あの大道具部屋はドクター・フーのものでいっぱいだった!スウィートヴィルの門も入ってる!」

※「スウィートヴィル」はマークが脚本を書いたドクター・フーの「深紅の恐怖」に出てくる共同体。

「ジェシカ・カーニーは、細かい部分で大きな助けになってくれた。彼女は祖父母に『ジュディ』や『ジュディ・プディ』と呼ばれていたんだ。ヘザー・ハートネル役に偉大なレスリー・マンヴィルを迎えたことは幸運だった。彼女は古い友人で、ビルの辛抱強い妻に素晴らしい儚さをもたらしてくれた。

※ジェシカ・カーニーはウィリアム・ハートネルの本当の孫娘。BFIで行われたプレミア上映でもマークらと共に登壇していました。

「これは番組から一番最初にツイートしてみんなが興奮した画像!
ここで見えているのはデヴィッドの目だけ、でもビルの目にすごく似てて不思議。
僕はというとテレビの中でしゃべる会話を急遽書かなければならなかった。’I only arsked!’」

※’I only arsked!’はウィリアム・ハートネルが出演したシットコム”The Army Game”の中で出てくるキャラ、ポップルウェルのキャッチフレーズ。同名のスピンオフ映画も作られている。

「ドクター・フーの誕生に関わった人々を公平に扱おうとするのは信じられないほど大変だった。初期の台本にはデヴィッド・ウィテカーに”バーニー”・ウェバー、”悪役”のジョアンナ・スパイサーも出てきた。最終的にマーヴィン・ピンフォールドが彼らの多くを象徴する存在になった」

※デヴィッド・ウィテカーは脚本家。今作で描かれる第一話”An Unearthly Child”から台本編集者として関わっている。C. E. “バーニー”・ウェバーも脚本家で、第一話の企画に関わっている。ジョアンナ・スペンサーはドクター・フーの発足に関わったアシスタント・コントローラー。欧州放送連合のBBC代表も務めている。BBCの番組ページに紹介文あり。

「ジェフ・ローレがマーヴィン役で出演してくれたのも嬉しかった。子供の頃、彼の”Billy Liar”が大好きだったし、もちろん彼は永遠にPlantagenetだ! よく言うだろ、『テレビジョン・センターは自らを葬る』。彼の発明したオートキューの最後は”The Dambusters”の似た場面に影響を受けた。

※ジェフ・ローレは5代目ドクターのエピソード”Frontios”で惑星の住人Plantagenet役で出演。”Billy Liar”は1970年代にITVで放送されたシットコム。
マーヴィン・ピンフィールドは劇中で紹介された通り、初期のプロンプターの発明者として知られている。”The Dambusters”は1955年に公開された英国の戦争映画「暁の出撃」?

「最初にデヴィッド・ブラッドリーをビル・ハートネル役に、と提案したのはエドガー・ライトだった。彼の言う通りだったよ。デヴィッドは昔ながらのバラエティからRSCまで素晴らしい背景を持った面白い人だ。彼のファンであり、一緒に働くのは喜びだ」
「サシャ・ダワンもまたこの仕事での喜びの一つ。一体彼に何があったんだ!?
これはとても感動的な読み合わせでの彼と、ウァリスの『ドラマシリーズA』のためのノートや企画を収めたオリジナル・ファイル。

※サシャ・ダワンはこのドラマ出演の後、13代目ドクターのエピソードで”あの役”を演じています。

「トビー・ハドク警報! ヴェリティとウァリスのアウトサイダーの立場を強調することは僕にとって非常に重要だった。とても若く、変わっていて、才能溢れている」

※トビー・ハドクはスタンダップ・コメディアンで俳優。ドクター・フーの大ファンで番組をテーマにした舞台”Moths Ate My “Doctor Who” Scarf”を成功させ、DVDのコメンタリーで進行役を務めたことも。今作ではウァリスの注文を無視するバーテンダー役で出演。

「『たくさんの人たちが番組の誕生のために立ち会って、一日中ここにいる!』
人や出来事や時間をまとめるのは脚本家の仕事…これほど辛いことはない。
ドクター・フーのファンとして、重要な人物を除外するのは二重に難しかった」

※レストランでヴェリティがビルに番組の説明をするシーン。

「このモンタージュ、大好き」

※オープニングの合成映像について。

「ジェシカは赤ちゃんの取り上げ方がかなりうまくなったね!」
「チーム! ジェイミー、ジェマ、クラウディア(彼女は初仕事、ジェシカ・カーニーがエージェント!)はまさに完璧なラス、ジャクリーン、キャロル・アン。
記者会見の場面を繰り返して、ビルの嫌悪感の高まりを表す仕掛けが好きだったよ」
「おじいちゃん :)」

※ウィリアム・ハートネルの孫娘ジュディは彼を’Sampa’と呼んでいる。

「もちろんこのリハーサルはチャーチホールでやるはずだったけど、余裕がなかった!」

※パイロット版のリハーサルシーン。

「宇宙船の中!」

※ウァリスが「ここでテープを止めて、宇宙船の中に入る」と出演者に説明するシーン。

「僕らの素晴らしい演出家からメッセージ:
『バン!バン!バン!
テリー・マクドナーから作るのと同じように楽しんで見てくれているファンへ!』
すべてを実現してくれた(製作の)マット・スティーヴンス、カロ・スキナー、リチャード・クックソン、そしてスティーヴン・モファットにも感謝」
「デイブ・アロースミスと彼のチームの素晴らしい仕事に大感謝。
ターディスに足を踏み入れた人は皆息を飲んだ。ピーター・ブラチャッキも驚いただろう。
多分、喜んだだろうね!
それにあの廃品置場のゲート…みんな震えたよ!」

※デイブ・アロースミスは今作のプロダクション・デザイナー。ピーター・ブラチャッキは劇中にも登場するターディスの内装を担当したデザイナー。

「これほど美しいものはない!」

※ついにターディスが完成したシーン。

「撮影初日に偉大なウァリス・フセインを迎えられて光栄だった。
彼自身とその友人たちが再現されるのを見るのは非常に感動的な経験だ。
彼の見事な仕事がなければ、この作品は実現しなかっただろう。
元祖、と言っていい」
「第1話はここまで酷い状況にはならなかった!
スプリンクラーが回ったのは‘The Aztecs’だと思う」

※第一話撮影中にターディスのドアが開いたり、スプリンクラーが回り始めるトラブル続きのシーン。”The Aztecs”は1代目ドクターの第6話(シリーズ)。

「バカな!」

※撮り直し宣告のシーン?

「このシーンのデヴィッドとジェシカは素敵だ」

※撮り直しの報告をするヴェリティがビルを励ますシーン。

「気を強くね!
放射能測定器は点滅するはずだった! いつも気になる」

※第一話の放送がやっと決定しヴェリティとウァリスが安堵するシーン。ターディスの放射能測定器の”危険”部分はオリジナルでは点滅しているが、今作では点滅していない。

「暗殺のライフルの組み立てとダーレクの描写を対比させるのは”AAiSaT”ではじめにあったアイディアの一つだった。
とても効果的で物憂げな瞬間だと思う。
ショーン・バレットのアナウンスで父親が息子を抱きかかえる姿にいつも胸を打たれる」
「この場面でのジェシカの輝きが好き。ヴェリティには手出ししない!」

※ヴェリティがシドニーに堂々と立ち向かい、第一話の再放送を要求するシーン。

「見て! 美しいダーレクたちだ! ニコラス・ブリックス警報!」

※ダーレクが初登場するシーン。俳優で製作者のニコラス・ブリックスは21世紀のドクター・フー新シリーズでダーレクやサイバーマンの声を担当していることで知られています。今作では当時ダーレクの声を担当していたピーター・ホーキンスを演じています。

「キャロル・アン! 『テレビが始まったわよ!』」

※1代目ドクターのコンパニオンで孫娘を演じたキャロル・アン・フォードは、遊びに出た子供たちを呼ぶ母親役でカメオ出演しています。

「テレビジョン・センターに祝福を。僕らは古い形のその場所で撮影した最後のドラマだった」

※ダーレク回が成功して喜ぶヴェリティがウァリスと抱き合うシーン。

「本物のドクター・フーのスタイルで、廃品置場の階段をマルコ・ポーロのセットに再利用した!」

※1964年放送のエピソード”Marco Polo”の撮影場面。

「『昨夜ダイヤルをいじったのを見た。だからどんな状況でも触ってはならないものを教えようと決めたのだ』
デヴィッド・ウィテカー作の”Dr Who and the Forbidden Subjects”。
クライブ・ドイグの引き出しの中で見つかった!」

※ウァリスが番組を離れ、ビルが朗読をするシーン。クライブ・ドイグはBBCのビジョン・ミキサーとして当時ドクター・フーに関わっていたプロデューサー。

「年刊ドクター・フーのアートワークを作る余裕がなかったので、自分のために依頼した。
ショービジネスのルールその1:自分の金を番組につぎ込むな!
ショービジネスのルールその2:自分の金を番組につぎ込むな!」
「もちろん、僕らの何人かは以前にウェストミンスター橋でダーレクになったことがある」

※ドクター・フー30周年を記念した番組”More Than 30 Years in the TARDIS“でウェストミンスター橋のダーレクが再現されることになり、操縦するスタッフ不足のため俳優組合に入っていたマークがダーレクに入ることが出来たらしい。

「『一発で書き換える』それこそ作家だ!」

※降板するキャロル・アンを引き止めるビルのシーン。

「どのくらいだ、ドクター? どれほど長く生きている?」

※4代目ドクターの「モービアスの脳」からの引用。このストーリーは13代目のシリーズにも影響を与えていると言われています。

「誰もが共感できる人間ドラマとして物語が成り立つことが極めて重要だった。
もちろん、僕らはみんな取り替えが効く…」
「Zarbiも欲しかったな。マシュー・スウィート警報!」

※マシュー・スウィートは評論家で作家。マークの対談の聞き手役としても頻繁に共演しています。彼が演じているの“The Web Planet”に登場する蜂のようなヒューマノイドMenoptera。Zarbiは蟻型のインセクトロイド。

「たくさんの旧友との別れがある。元々ヴェリティが”Adam Adamant”の製作に移ると語ることになっていたが、現代社会に合わない時代遅れの男の話をするのは賢明じゃないと気付いた。
『また会う日まで』…たまらない」

※”Adam Adamant Lives!”は1960年代に冬眠状態から目覚めた19世紀生まれの冒険家が主人公のドラマ・シリーズ。ヴェリティやシドニーが製作に関わっています。

「『ツイードとタバコの煙』の1963年と古代中国の栄光の対比、そして驚くべきスザンヌ・ケイヴと(BAFTA受賞の!)ヴィッキー・ラングの才能が結実。美しい仕事、だけどピーター・パーヴスの『トイメイカー』セーターにはかなわない!」

※スザンヌは衣装デザイン、ヴィッキーはメイクアップ担当。ピーター・パーヴスはドクター・フーでコンパニオンのスティーブン・テイラーを演じた役者。”The Celestial Toymaker”と言うエピソードで画像のセーターを着用。

「抜け目のない人の声のカメオ出演です」

※どうやら調整室からビルに指示を出す演出家はマークが演じていたようです。

“The Massacre“からのこの短いセリフが雰囲気にぴったり合っていた。
『視線の先にたくさんの人が踊っている』知ってる人たちのために」

※”The Massacre of St Bartholomew’s Eve”は1966年放送のストーリー。

「僕は失われた物語の一部を再現できるかもしれないという期待でワクワクしていた。
‘The Myth Makers’, ‘Masterplan’ そして ‘The Masters of Luxor’といった物語が初期の台本に書かれていたが、予算が許さなかった。
サラ・キングダム役のジーン・マーシュと再会する機会を失ってしまったのが一番残念」

※ドクター・フーには幾つかの映像が残っていないストーリーが存在する。サラ・キングダムは失われたエピソードの一つ”The Daleks’ Master Plan“に登場する宇宙秘密諜報部のエージェント。

「『歴史は変えられない、一行も!』もちろんこれは”The Aztecs“からの引用で、続くすべてが真実であると説明するのにちょうどいい。
この企画は何年も書きたかったんだ。これは2002年の初期のあらすじ」

※”The Aztecs”は15世紀のスペインを舞台にした1964年6月放送のストーリー。

「初期の草稿では、ビルの代理人(で義理の息子)であるテリー・カーニーや、たくさんのパブのシーンが含まれていた! 草稿1ではコテージでものを整理している成長した孫娘ジュディの構想があったり、草稿2では”Points West”のインタビューを使っていた。

※”Points West”はBBCの地域ニュース番組。

「『幸運の女神よおやすみ、もう一度微笑みかけてくれ、運命の歯車を回せ」」

※劇中に登場する「リア王」の引用。

「『離れたくない』…また、たまらない」

※自宅で降板を悲しむビル。10代目ドクター再生前のセリフの引用でもあります。

「エドマンド・バットの素晴らしい楽曲は、ハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」のワルツに影響を受けたもの。「時の渦巻き」のような感覚があると、僕から提案した。ロマンティックで、でもわずかに気まぐれで制御不能な感じが、ターディスっぽい」
「さあ来た… このアイディアを思いついた時、僕は泣いた」

※11代目ドクター、マット・スミスのカメオ出演。

「最後の瞬間ギリギリまで、マットが現場でカメオ出演してくれることを願ってた、でもスケジュールで不可能だった。
だからあれは僕の手なんだ!
“Plabet of the Daleks”でジョン・パートウィーがやってたことを思い出してみて!

※マットのカメオ出演は合成で現場にはおらず、ターディスを操作する手はマークだった!と言うことですね。確かに3代目ドクターの”Plabet of the Daleks”の中で、ターディスに両手を置き、テレパシーでメッセージを送るシーンが出てきます。

「そして、もちろん最後はオリジナルで締めくくらねばなりません。
これを実現させてくれた皆さんに心から感謝しています。誇りに思います。
『ドクター? みんなを元気にしてくれるの?』
そうだよ♥」

※“A Doctor?…”は孫娘のジュディのセリフです。